最近「ヘンプシード」は、スーパーフードとして人気が高まっています。
SNSや広告でヘンプシード商品を見かけて、「ヘンプシードってなに?」「どんな効果があるの?」と、気になっている人も多いのではないでしょうか?
実際のところヘンプシードは、宇宙食にも採用されるほど栄養価の高い食品です。気軽に食事に取り入れられるうえ、現代人に不足しがちな栄養素を補ってくれます。
こちらの記事では、ヘンプシードの効果やCBDオイルとの違い、摂取するときの注意点などを解説します。
今流行りのスーパーフードを知りたい人や、不健康な食生活が気になる人は、ぜひこの記事を参考にヘンプシードを食事に取り入れてみましょう。
ヘンプシードとは?
「(Hemp seed)」とは「麻の実」のこと。「ヘンプ(Hemp)」は「麻(あさ)」の英語名です。
麻の実は、稲や大豆、小麦と並ぶ「八穀」の一種。日本では、縄文時代から一般的に食べられています。
あまり馴染みがない食品ですが、身近なものでは七味唐辛子に入っています。少し大きめの丸い粒といえばわかりやすいのではないでしょうか?
ヘンプシードは世界中で注目されるスーパーフード
ヘンプシードは、現在「スーパーフード」として人気上昇中。キヌアやチアシード、アサイーなどと並んで、健康志向の女性たちに注目されています。
ヘンプシードは栄養バランスに優れ、さまざまな機能性表示食品の原材料として使われています。その栄養価の高さは、宇宙食にも採用されるほど。
欧米ではすでに、日常的に食事に取り入れている人も多いです。最近は日本でも認知度が高まり、都内のスーパーやSNSの発信で見かけることが増えています。
ヘンプシードは消化・吸収しやすく、安全性も高い
ヘンプシードは、エデスチンという成分を含む植物性タンパク質。消化・吸収しやすい構成をしています。
また、ヘンプシードには大豆や小麦に含まれるアレルギー物質が入っていません。コレステロールやトランス脂肪酸といった健康によくない脂肪も含有なし。アレルギーや脂肪が気になる人でも安心です。
さらに、麻は農薬や肥料を使用せずとも栽培しやすい植物です。ヘンプシード内の残留農薬を気にする必要もありません。
ヘンプシードは消化・吸収に優れているうえ、安全性においても高い評価を得ているのです。
ヘンプシードの効果・効能
ヘンプシードは栄養価が高く、安全性も高いことがわかりました。
それでは、ヘンプシードは具体的にどのように健康に役立つのでしょうか?ここからは、ヘンプシードに含まれる栄養成分や、健康にいい理由を説明します。
良質な「植物性タンパク質」を摂取できる
ヘンプシードは、100gあたり約30gと豊富なタンパク質を含んでいます。
タンパク質は、炭水化物や脂質と並ぶ3大栄養素の1つ。筋肉や内臓、皮膚など、人の体をつくるために欠かせない成分です。運動や新陳代謝に必要なエネルギー源にもなります。
健康の維持増進には、植物性タンパク質と動物性タンパク質の両方をバランスよく摂取することが大切です。植物性タンパク質としては大豆が代表的ですが、ヘンプシードにもタンパク質が豊富に含まれています。
健康維持に不可欠な「9種類の必須アミノ酸」をすべて含有
アミノ酸は、タンパク質の材料となる成分です。
アミノ酸の種類は、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」に分かれます。非必須アミノ酸は、人の体内で合成できます。一方で、必須アミノ酸は体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
必須アミノ酸は全部で9種類。ヘンプシードには、必須アミノ酸全9種を含む、20種類ものアミノ酸が入っています。
たっぷりの「不溶性食物繊維」で腸内スッキリ
ヘンプシードは、食物繊維を豊富に含んでいます。ヘンプシードに含まれる食物繊維の大半は、不溶性食物繊維。
不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維です。おなかの中で膨れ、腸内の収縮運動を活発化させることで、通便をうながします。さらに、満腹感を得やすいため、ダイエットに役立ちます。腸内環境を整えることから、デトックス効果や美肌効果も。
現代の日本では食の欧米化により、海藻類や大豆食品を食べる機会が少なくなりました。そのため、食物繊維の摂取量が不足しがち。
ヘンプシードには、さつまいもの約7倍もの不溶性食物繊維が含まれています。足りない食物繊維を効率よく補い、便秘解消や免疫機能の正常化に働きかけます。
「ミネラル(鉄分・亜鉛・マグネシウム)」が免疫力を高める
ヘンプシードには、鉄分・亜鉛・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
ミネラルは、ごく少量で私たちの健康を支える重要な栄養素。骨や体の組織を構成したり、体調を整えたりする働きがあります。食品添加物や農薬などの化学物質を排出・分解するときにも体内のミネラルを必要とします。
ミネラルは健康に不可欠でありながら、必須アミノ酸と同じように人の体内で合成できない成分。食べ物を通して摂取しなければなりません。
鉄分はレバー、マグネシウムはゴマやアーモンドに多く含まれていることが知られています。実はヘンプシードは、レバーやゴマと同等かそれ以上の鉄分・マグネシウムを有しています。
ヘンプシードは効率よくミネラルを摂取するためにもってこい。骨や血液の形成や免疫力の向上をサポートします。
バランスのよい「必須脂肪酸(オメガ6・オメガ3)」が健康をサポート
ヘンプシードは、必須脂肪酸の「リノール酸(オメガ6)」と「α-リノレン酸(オメガ3)」を含有。必須脂肪酸は抗炎症作用や動脈硬化を抑制する働きがあります。
健康と美容を保つためには、「リノール酸(オメガ6)」や「α-リノレン酸(オメガ3)」をバランスよく摂ることが大切です。
ところが、必須脂肪酸は熱に弱いため、加工食品に含まれる量はごくわずか。現代人に不足しがちな栄養素です。
ヘンプシードの油分は、約80%が必須脂肪酸でできています。そして、ヘンプシードオイル内の「リノール酸(オメガ6)」と「α-リノレン酸(オメガ3)」の割合は3:1。これは健康のために理想的な必須脂肪酸のバランスです。
必須脂肪酸がこれほど多く、バランスよく含まれているのはヘンプシードオイルならでは。数ある植物油の中でも珍しいレベルです。
ヘンプシード食品の種類
ヘンプシード食品は、主に下記の3種類があります。
それぞれ加工方法が異なり、違った風味や食感が楽しめます。
ヘンプシードナッツ
「ヘンプシードナッツ」は、麻の実の殻をむいたもの。小さな丸い粒状のナッツです。
味は、ゴマやアーモンドに似た香ばしさがあります。ヨーグルトやサラダなどのトッピングにおすすめです。
ヘンプシードパウダー
「ヘンプシードパウダー」は、脱脂した麻の実を殻ごと砕いた粉末です。タンパク質が豊富なので、「ヘンププロテイン」とも呼びます。
パウダー状なので、ドリンクに混ぜたり、料理やお菓子に加えたりして使いやすいです。
ヘンプシードオイル
「ヘンプシードオイル」とは、麻の実を圧搾してつくられる油のこと。
ヘンプシードオイルは、えごま油や亜麻仁油と同じで加熱には弱いです。炒め物や揚げ物に使うのではなく、生食がおすすめ。サラダにかけたり、豆腐や納豆に加えたりすると、栄養を壊さずおいしくいただけます。
ヘンプシードオイルとCBDオイルの違い
「ヘンプシードオイル」と「CBDオイル」の原料は、どちらも同じ麻(ヘンプ)です。しかし、2つの成分や効果はまったく異なります。
ヘンプシードオイルとCBDオイルの違いを詳しく見ていきましょう。
製造法の違い
「ヘンプシードオイル」は、麻の実に圧力をかけて搾油しています。
一方で「CBDオイル」は、まず麻からCBD(カンナビジオール )という成分を抽出。そして、オリーブオイルやMCTオイルなどで希釈して作られています。
中には、ヘンプシードオイルをベースオイルにしたCBDオイルもあるため紛らわしいですが、「ヘンプシードオイル」と「CBDオイル」は、配合成分や効果も異なります。
成分と効果の違い
「ヘンプシードオイル」は上記で述べたように、ミネラルや必須脂肪酸などの豊富な栄養成分を含んでいるのが特徴。普段の食事では摂りきれない栄養を補い、体の機能調整や組織形成に役立ちます。
対して「CBDオイル」は、CBDが主成分。麻に含まれるほかの生理活性物質(カンナビノイド)を配合している商品もあります。
「CBDオイル」には抗酸化作用や抗炎症作用、鎮静作用などがあります。ストレス緩和や不眠改善などに有効です。さらに、さまざまな疾患の治療に役立つという研究結果が発表されています。
使い方の違い
「ヘンプシードオイル」は、基本的にオリーブオイルのように料理に合わせて使います。
「CBDオイル」の使い方は、舌下投与が一般的。スポイトでCBDオイルを舌に垂らして飲み込みます。調理に使うというよりは、CBDオイル単体で摂取することが多いです。
以上のように、「ヘンプシードオイル」と「CBDオイル」はまったく別物です。それぞれの特徴を理解したうえで、目的に合った商品を選びましょう。
ヘンプシード摂取の目安と注意点
ヘンプシード食品の摂取量は、それぞれの商品パッケージに書いてある量を参考にしてください。もし記載がない場合は、1日あたり大さじ1杯程度を目安にしましょう。
ヘンプシードは不溶性食物繊維が豊富で、整腸作用があります。ところが、便秘の人が不溶性食物繊維を摂りすぎると、逆にひどい便秘を引き起こす可能性も。便の詰まりを防ぐために、なるべく水分と一緒に摂取しましょう。
また、ヘンプシードは意外とカロリー高めです。栄養豊富で健康にいいですが、食べ過ぎるとエネルギー過多になってしまうおそれがあります。
たくさん食べたからといって効果が上がるわけではありません。毎日少しずつ食事に取り入れましょう。
ヘンプシードのおいしい食べ方
ヘンプシードは、香ばしい香りと少しの甘さがあります。味にクセがないので、さまざまな料理に使えるのが魅力。
ヘンプシードには不飽和脂肪酸が含まれているので、できれば加熱せずに食べるのがおすすめです。
- ヨーグルトやフルーツにトッピング
- ヘンプシードクッキーを作る
- ポテトサラダやアボカドサラダに和える
- ドレッシングに混ぜて使う
など、料理にパラパラかけたり、混ぜ込んだりして手軽に食べられます。
味噌や醤油とも相性がいいので、和食にもぴったり。豆腐や煮物、きんぴらごぼうなどにふりかけると、ひと味違ったおいしさが楽しめます。
まとめ
現在スーパーフードとして注目されているヘンプシードとは、麻の実のこと。ヘンプシードはアミノ酸やミネラル、食物繊維など、私たちの健康に不可欠な栄養素をたくさん含んでいます。消化・吸収に優れ、アレルギーや残留農薬の心配もないことから、安全性が高いと言えます。
ヘンプシード食品は、ヘンプシードナッツ・ヘンプシードパウダー・ヘンプシードオイルの3種類。それぞれ違った風味や食感が楽しめます。
ヘンプシードオイルとCBDオイルは、どちらも麻を原料としていますが別物です。ヘンプシードオイルは、麻の実のさまざまな栄養素を含んでいるのに対して、CBDオイルはCBDが主成分です。目的に合った商品を選んでください。
ヘンプシードは、普段の食事に簡単に取り入れられます。できるだけ加熱せずに、フルーツにかけたり、ドレッシングに混ぜたりして食べるのがおすすめ。ぜひ食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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